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インターンシップ、そう、企業研修である。もう一度説明すると、私はILSCで、7週間の語学学校(ILSC校内で勉強)+7週間の無給インターンシップ(カナダ企業で研修)というプログラムをやったのである。学校、企業、学生本人の協力関係で成り立つという意味で、またの名を「Co-opプログラム」という。
そもそも何故インターンシップをしようと思い立ったかというと、ワーホリなので学校終了後に働くことを考えると、ちょっとでも経験を積んでおいた方が後々の就職活動に役立つと思ったからである。学校では英文履歴書の書き方、面接の仕方などを練習し、企業では同僚との付き合い方、電話のかけ方などを練習できる。学校のプログラムを利用すれば、あまりストレスを感じずにこれらの経験が積めるに違いない、と考えたのである。
まあ、基本的な方向性としては、間違ってはいなかった。14週間ずっと学校で勉強を続けてもそれなりの成果は出せたと思うが、学校の外に出て、早い段階からカナダ社会を知ることができたのは、大きなプラスとなった。
さて、このプログラムでは、入校前に提出した英文履歴書と職務経験、本人の希望、英語力などを総合的に判断し、コーディネーターが派遣先企業を選んでくれる。その後、コーディネーターと一緒にその企業を訪問し、面接。合格となったら晴れて研修先に派遣される。これが案内書にも載っている本プログラムの概要である。どうせ無給なんだからどんな企業でも受け入れてくれるんだろう、ということはなく、無給でもそれなりの仕事をこなせる人じゃないと採用してくれない。受講資格も、中級上のクラスからだ。ILSCで勉強していた期間中に知り合ったトルコ人の女の子(英語はかなり上級)が次のことを教えてくれたことがある。彼女は既にある企業でインターンシップを開始していて、その同じ会社に一人、スピーキングのあまり上手でないILSC生徒が面接に来たそうだ。しかし募集されていた職種は、スピーキング力必須の受付業務。彼はリジェクトされてしまったそうだ。その話を聞いたとき、スピーキング力に自信のない私としては、かなりショックを受けた。大丈夫なんだろうか、私・・・。どこかの企業が拾ってくれるんだろうか??と。
Co-opプログラムの生徒は、派遣先の分野を第3希望まで事前に選んで提出する。私の第1希望は旅行業、第2希望は環境関連のNPO、第3希望は出版・ジャーナリズム業だった。旅行業は、まあなんとなく面白そうだったから。環境関連NPOは、大学時代に東京でそういった公開講座によく出ていたこともあり、関心があった。「環境関連」と書いたのは、プログラム申し込み書のサンプルにあったのを写しただけというウラの事実もある。出版・ジャーナリズムは、経験のある人でなければならないと募集要項に書いてあったので、経験のない私はだめもとで書いてみただけ。とまあ、なんとも適当に分野を選んだわけだが、それなりに全部興味のある分野となっている。
コーディネーターと1~2度話し合いをし、結局私の派遣先は、第2希望の環境関連NPOとなった。生徒の希望はもちろん優先されるが、その時期その業界でEnglish studentの需要があるかどうかも考慮される。たとえタダで働きます!と言ったって、真夏にスキー場の受付は募集されていない。コーディネーターと一緒に面接に行き、晴れて3月26日(月)から7週間のインターンシップに突入。
派遣先のNPO ウェブサイト http://www.spec.bc.ca/
←派遣先NPOの建物。以前は白かったが、外壁を青く塗装してオリジナリティ溢れる外観になった。
←近所で飼われている猫。よく迷い込んできてご飯をねだる。
毛並みがゴージャスにきれいな、みんなの人気者。
Society Promoting Environmental Conservation (SPEC/スペック)という。現在の主な活動内容は、ハイウェイ1の拡張工事と橋のTwin化(交通量が多いので橋を2本にするらしい)への反対運動。ハイウェイの拡張はブリティッシュ・コロンビア州政府のプロジェクトなので、反対運動の状況としては厳しいものがある。まだ工事は開始されていないので、プロジェクトをストップできる可能性はまだあるらしい。そのための署名集めや(小規模の)デモ活動などもしているらしい。その他、使用済みの乾電池の回収(こちらでは、大抵の人は乾電池を普通の燃えるゴミに捨てる)、ソーラーパネルの普及促進運動、グリーンルーフトップ(屋上に緑を植える)計画、無農薬の安全な食物、など、環境に優しいプロジェクトを進めていて、バンクーバーでの環境問題情報センターのようになっている。といっても、NPOなので、活動資金は政府からの補助や個人からの寄付金に頼っており、有給のスタッフは3人だけ。その他に委員会メンバーが13人いるが、彼らは他に仕事を持っていて、週1くらいの割合でSPECの活動をしている。なので、活動は無給のインターンシップ生やボランティアによって支えられている。ボランティアの人たちは時間のあるときに来るという感じなので、継続した大きなプロジェクトを任せるのはちょっと難しい。しかもボランティアの人たちに十分な教育をする人手も時間もないので、どうやって多数のプロジェクトを推進しているのかは不明である。私の他にも、同じ時期に他の学校から一人、同じ学校から一人のインターンシップ生がいた。インターンシップ生は基本的に毎日“通勤”するので、ある程度ちゃんとしたプロジェクトを任せられる。
私がアサインされた仕事は、SPECのウェブサイトのアップデート。Greenpagesというコンテンツがあり、その中には多くの質問(例:どうやったら環境関連の活動にもっと参加できるの?や、コミュニティを持続可能なものにするにはどうすればいいの?など)と答え(関連ウェブサイトのリンク先)が掲載されている。最終更新日が2003年だったりして、その情報が少し古くなってきており、いくつかのリンク先も切れているので、私はそれらを最新版に更新すべく日々ウェブリサーチをしていたのである。
その後、晴れる日が多くなってきたので、屋上グリーン化計画にアサインされた。野菜や花の種を買ってきて、種をまいて、毎日水をやって、コンポストの土を耕して・・・ということをやっていた。野菜の名前は全部英語だし、日本では見たことない野菜もあるし、農業関係の英語には明るくなかったので、最初はちょっと苦労した。seedling、sow、waterlogなどという単語を知らなかったので・・・。それと、日本とカナダの気候や土質も違うし、日本名と英語名が同じ名前でも実際は違う植物だったりもするので、ほとんどチンプンカンプンの状況から始めた。
その中で感銘を受けたのが、「コンパニオン・プランツ」という構想。ある種の植物(または花)は、ある種の植物(または花)と一緒に植えると、何かいろいろと良いことが起こるらしい。たとえばトマトの苗とバジルを一緒に植えると、収穫量が増え、バジルがトマトに良い香りを与え、害虫も寄せつけないというアメイジングな効果が現れるらしい。じゃがいもとマリーゴールド、マメ科とペチュニアなど、いろんなグッドコンビネーションがあるらしい。これを使うと、農薬や余計な肥料や殺虫剤が不要で、野菜の味も良くなるという良いことづくめ。日本でも結構普及しているらしい・・・・興味のある方は コンパニオン・プランツ でググってみてください。
ウェブサイト一例: http://www1.u-netsurf.ne.jp/~g-time/kiso/kiso_7.html (日本語)
ちなみに、一緒に植えてはいけない組み合わせというのも存在するらしい。ローズマリーとじゃがいもを一緒に植えると、成長を遅らせてしまうらしい。うむむ、これはおもしろい。
さらに興味深いことに、たとえばトマトとバジルなら、パスタソースを作る材料としても良い組み合わせだ。聞いただけでもおいしそうだ。そういったことから、トマトとバジルを一つのポットに植えて、「パスタポット」とし、パスタを作るときにはそのポットを使う、ということも可能。キャベツorブロッコリーとトマトも良いらしいので、こっちは「サラダポット」かな?一緒に食べておいしい野菜は、一緒に育ててもおいしいらしい。自然とは良く出来ているものだ。
このように、研修先は、実際にはカナダ企業ではなくカナダ”NPO”だった。そのため、企業でバリバリ仕事をするという当初の夢は実現できなかったが(スピーキング力が足りないんじゃしょうがない)、NPOでいろいろ面白い経験をした。勤務時間もフレキシブルで、近所のナイスなコーヒーショップにコーヒーを買いに出掛けたり、周囲を散歩したりしてもOKなので、ほとんどボランティアメンバーの状況だった。スタッフもみんな気さくで親切で、いろんなボランティアメンバーとも出会えた。
同じ建物に複数の環境関連NPOが入っていて、みなそれぞれに活動をしているので、他の組織の人たちから学ぶことも多かった。一時期、雨漏りのするビルディングの修理中に「グリーンピース」バンクーバーオフィスが滞在していたこともあった。グリーンピースっていったら、知らぬ者のない最も有名な環境団体だよね。
7週間のインターンシップが終わってからも、今度はボランティアメンバーとして、就職活動の合間にちょくちょく顔を出すこともできた。このインターンシップを通して、学校に籠って勉強するだけではない、自然に人とコミュニケーションをする方法を学ぶことが出来た。どんな企業・団体に派遣されるかは分からないというものの、私の第一歩としては最適だったと思う。
実はここだけの話(ブログなので全世界に公表してるという突っ込みは無しで)、かなり日本恋しいです。日本食はこっちでも何でも手に入るので問題ないのですが、北米大陸には日本の「繊細さ」がないです。私としては、「わびさび」の情緒がないと、生きていくのはかなりつらいです。「日本=Sushiじゃないぞ!!」と叫びたくなる今日この頃。
しばらくはこっちで頑張りますが、日本に帰れるとなったらすぐに帰ると思います。
というわけですので、ご心配なく☆