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水曜日、会社帰りにいつものプールに行った。いつものように15分ウォーキングをし、15分適当にクロールで泳ぐ予定だった(クロールしかできないし)。それ以上やると普段の運動不足から、翌日に響いてしまうし、しかも「泳ぐ為」に来ているというわけでもないからだ。いつもは、残りの時間をジャグジーバスに入ったりサウナに入ったりして過ごしている。
しかし今回のプールは、一味違った展開となった。
まずバックグラウンドとして現在までの私の考えの経緯をまとめる。
きれいなフォームでゆったりと泳いでいる人を見て、「あんなふうに泳げるようになれば、泳ぐのも楽しいかもな」とは思っていた。小学校の頃は息継ぎもできたが、今はやり方を忘れてしまい、鼻から水が入って苦しくなるので、息継ぎの度に立ち上がっていた。(そのことでからかわれることもないし、強制的に出場させられてタイムを競わされる近隣小学校対抗水泳大会もない。気楽なものだ。)うまく泳げるようになりたいとは(ちょっとは)思うものの、スイミングスクールに行くまでの余裕も本気度もないし、教えてくれる身近な人もいないし、まあ適当に自己流でやっていこう、回数券がなくなるまで。と思っていた。
プール内の構成を少々解説する。プール向かって右端は広くスペースが取ってあり、「水泳練習や水中歩行の方はこちら」と立て札がある。他は1コースずつロープが張られていて、右から順に「ゆっくり泳ぐ方はこちら」「速く泳ぐ方はこちら」とそれぞれ書いてある。向かって左端の数コースは大抵スイミングスクールが開かれていて、平日の18時くらいまではキッズ、19時くらいからは中高年向けの市民講座であるため、普段一般客は使用できない。私はいつも右端の「水泳練習・水中歩行」スペースでウロウロするのだ。
さて、私はひらめいた。そうだ、スイミングスクールでは習えなくても、息継ぎくらいは周りの泳いでいる人を観察してやり方を真似すればいいんだ。息継ぎくらいはできるようになろう。
泳いでいる人を怪しくチラチラ見ながらウォーキングし、自己流のクロールを取り入れつつ十数分が過ぎた。プールのスタート地点に立って一息ついていたとき、隣のコースを泳いでいたおじさんに話しかけられた。隣で、ゆったりとクロールを続けている人がいるなあと思っていたが、その人だ。
「バタ足は、そんなにバタバタさせなくていいんですよ。クロールの推進力の7割は手の掻きなんです。」
『妻にもときどき教えているんですけどね。』というそのおじさんは、私の滅茶苦茶なクロールもどきを見るに見かねて(?)アドバイスしてくれたのだった。
「そんなに足を激しくバタバタさせていると、すぐに疲れてしまうでしょう。」
そう、そうなんです。だから1日15分しか泳げなかったんです。ええ、自己流でやっていまして。
「コツは手の掻きなんです。手は8の字を描くようにして、こういうふうに内側に曲げるようにすると推進力が今の2~3倍になります。水泳選手もこのように泳いでいます。」
水泳選手の泳ぎ方なんて、私は一度も注意して見たことなかったよ・・・。
「口で言ってもつかめないでしょうから、いろいろやってみてください。」
はい、そうします!(25m×2を泳ぐ。うーん、足を気をつけると手がおろそかになり、手を気をつけると足が動かなくなる・・・。息継ぎまでは気が回らない・・・・)
「息継ぎはなるべく上を向いて自然にやればいいんです。手は、なるべく前の方につけて。まあ、自己流でもいいんですけどね。では、がんばってください。」
はい、がんばります!(泳ぐ為に来ているわけではなかった私が、いつの間にか熱血初心者スイマーになっていることに注目)
おじさんの言うとおりにしてみると、(すぐに全部は実現できなかったが、だんだん何かつかめてきた)全然疲れない。やはり足のバタバタのやり過ぎと、無茶な手の動かし方のせいで、今まではすぐにヘトヘトになっていたんだ。少しずつ、「あ、なんか今泳いでる!」と思えるようなフォームになってきた。思えば、小学校の頃は体育の授業で泳がされたものの、「泳ぎ方」を教えられたことはなかったなぁ。息継ぎ練習とかビート板練習とかはさせられたが、具体的に手や足をどう動かせばいいかなんて、一度も習ったことなかった。
おじさんは私より先に上がるつもりだったらしく、わざわざ私がスタート地点に戻るまで待っていてくれ、「では、がんばってください。」と挨拶までしてくれて去っていった。
ああ、なんて親切な人なんだ!
おかげで、今度からは「泳ぎに」来れるようになりそうだ。